今回のタイトルは「アイデアの考え方」
我ながら大きいテーマ。
書店に行けばアイデアや発想法に関する本はたくさんあるし、ネット上にも様々な情報があるのに、あえて書くのは、僕が実践してることが誰かの参考になると嬉しいという思いと、自分なりに客観視することで見えてくるものがあるかもしれないと考えたからです。
僕の仕事はアイデアを考えること
ネーミングやコンセプトやコピーを考えること、ロゴマークや印刷物やホームページのデザインをすること、キャリアやビジネスの相談にのること、それらの全ては、突き詰めると「アイデアを考えること」と言えます。
「よくそんなこと思いつきますね」「どうしたらそんな発想ができるんですか」と言われるのですが、僕は子供の頃から疑問を持ったり考えたりすること、もっと言うと妄想することが大好きだった(もちろんいまも)ので、がんばってアイデアひねり出してるという意識はありません。
ずいぶん前に、自分がアイデアを考えるプロセスを「視点移動思考」とネーミングしたことがあって、視点を移動させる、つまり具体と抽象を行き来することで解像度を変えながらアイデアを考えてると(自分では)考えてます。
また、アイデアは記憶の複合とも言われるように、何かと何かを結びつけることで生まれることがほとんどで、これまた僕も実践してること。
これらは、自覚してるかどうかは別として、誰でもやってることだと思うのですが、今回は僕が具体的にやってきたことや意識してることについて書いてみます。
雑学の効用(インプット編)
「アイデアが閃く」とよく言われますが、自分の頭の中にないものがいきなり出てくることはないと思ってます。
僕もよく「降りてきた」と言ったりしますが、突然神様の声が聞こえたというようなことはなくて、頭の中にあるもの同士が(考え続けたことや外部からの刺激などによって)突然結びつくことを、そう表現してるだけ。
上にも書いたように「記憶の複合」ですね。
となると、当然ですが複合するための「素材」が多いほど多様なアイデアが生まれやすくなる。
自慢ではありませんが、僕は高校もまともに行ってないので所謂学校の勉強はさっぱりできませんし、持ってる資格は普通免許と調理師免許くらい。
ただ、ちょっと特殊な環境で育ったおかげで物心ついたときから本を読むことは大好きでした。
※特殊な環境については別の機会に。
子供向けの文学全集からミステリー、ハードボイルド、SF、時代小説、純文学、詩集、漫画、雑誌など、ありとあらゆる本を読んできました。
以前に比べるとずいぶん少なくなりましたが、いまも平均すると月に2〜30冊は読んでると思います(ジャンルは無関係に、飛ばし読みも含みます)。
特定のジャンルについて深く掘り下げるとかではなく、興味があるものを片っ端から読むスタイル。
ついでに書くと、ほとんど覚えていません(笑)
あとは中学生から聴き始めた音楽と高校時代から観始めた映画。
音楽も映画も、(いちいち書くのがめんどくさいくらい)ノンジャンルで大量に聴いたり観たりしてます。
ライブに行ったり映画館にも行きますが、仕事中や移動中はずっと音楽聴いてるし、寝る前にはNetflixやAmazonプライムでなにかしら観てる。
62歳のいまも、日本や世界のトップランキングの曲や映画はチェックするようにしています。
ただ、本に関してはベストセラーはあまり読みません。
とにかく
そのおかげで、系統だった知識とかはありませんが、雑学的な知識には自信があります。
また、街を散歩したり、国内外をウロウロすることもインプットと言えるかもしれません。
僕が高校生のときのアイドルの一人に植草甚一さんがいるのですが、植草さんの本に「ぼくは散歩と雑学がすき」というのがあって、まさにそれを地で行くような毎日。
あまり書くと「で、いつ仕事してるんだ?」と突っ込まれそうですが、まあそんな生活を60年近くしてるわけです。
というわけで、これらの雑学が僕のアイデアの素となってるという話。
実際、僕が考えたアイデアには、学生時代に読んだサブカル雑誌やロックの曲名や映画のタイトルから影響を受けてるものがたくさんあります。
以上、書いていて思ったのは、ポイントはノンジャンルということ。アイデアに必要なのは専門的な知識よりも雑学じゃないかというのが僕の仮説。
※専門的な知識が不要という意味ではありません、念の為。
視点移動思考(アウトプット編)
アイデアの素をインプットしたら、次はアウトプットの話。
くどいようですが、あくまで僕のやり方であったり考え方なので同じようにすることをお勧めしてるわけではありませんし、他にも優れた発想法はたくさんあると思います。
ただ、応用は効くと思っていて、むしろ僕とは違うインプットをされてるみなさんは僕の思いつかないようなアイデアを考えられるはず。
さて、アウトプットですが、「アイデアは記憶の複合」ということからすると、大事になるのが記憶(素材)を結びつける力。
どんなにたくさんの素材を持っていても、結びつけたり組み合わせることをしないと面白いアイデアは生まれません。
このときに役に立つのが、冒頭に書いた視点移動思考。
仕事の相談で解決するべき問題を提示されたとき、それを解決するアイデアを考えるには、単に素材を組み合わせればいいというものではなく、問題そのものを抽象化して本質的な問題を探る必要があります。
僕の経験では、相談者さんが問題だと考えておられることは、本質的な問題のダミーであることがほどんどだから。
余談ですが、本やネットの情報には問題解決するための方法論やテクニックみたいなものがあふれているのと、学校教育で正解を出すための方程式などを学んでるからか、「問題が起きた!」「問題を解決しないと!」となるとすぐに解決策を探す人が多いように感じるのですが、それでは根本的な問題解決は難しいと思います。
問題そのものが勘違いだったりしますから。
アウトプットに話を戻すと、僕がインプットしてるのは問題解決の手法やフレームワークではなく、断片的な記憶なので、そのままでは役に立ちません。
本質的な問題を発見したら、次にそれを解決する方法(たいていは、相談者さんが喜ぶことやワクワクすること)を考えるわけですが、僕の場合、抽象化して短く言語化することから始めます。
コンセプトを考えることですね。
※世間で言われるコンセプトとは少し違うかもしれません。
そのときに初めて記憶(素材)が役に立つのです。
もちろん、記憶をこねくり回すだけではなく、ググったり生成AIを使ったりもしますが、そのベースになるのは雑学。
様々な記憶を俯瞰して視ることで、「使えそうなもの」「関係ありそうなもの」を抽出して、組み合わせることで具体的なアイデアに落とし込みます。そして、それを誰かに話したりしてフィードバックをもらい、また抽象化したり具体化したりを繰り返して最終的なアウトプットを行うという流れ。
ちなみに、Googleや生成AIは、アイデアを得るためというよりも、似たようなアイデアがないかを確認するために使うことがほとんど。
視点移動思考は、具体と抽象を行き来することと書きましたが、これはアイデアを考えるだけでなく、セールスやマネジメントを始めとする様々な仕事や人間関係でも役に立つし、人生を楽しくするコツだと思うので、身につけておいて損はないと思いますよ。
ひとの悩みのほとんどは視点が下がることから起きる、というか悩むと視点が下がってしまう、いや、もはやどっちでもいいですが、とにかく視点を移動させる術を身につけてると悩む時間がめちゃ減ることは間違いありません。
他にも、決断に迷わなくなるとか、幸福度が爆上がりするとか、ご飯が美味しくなるとかメリットが盛り沢山なので超オススメ。
最後に
アイデアの考え方なんて、たいそうなテーマで書いてみましたが、上に書いたことの前段階で僕が大事だなと思うことが2つあります。
それは、好奇心と余白。
僕が長年大量のインプットを続けているのは、そうすると何かが得られるからとかではなく、ただの好奇心。
知らないことを知るとか、いろんな人がいることやいろんな考えがあることを知ることに興味がありまくるから。そして、それらによって、自分が何者なのか?ということが少しづつわかってくるのが楽しくて仕方ないから。そういう意味ではSNSもめちゃくちゃ面白いツール。
もうひとつ大事じゃないかと思うのが余白。
僕が読んだ本や観た映画をほとんど覚えてないと書きましたが、(記憶力が悪いというのもあるけど)あえて余白をつくるようにしています。
何事もそうですが、いっぱいいっぱいの状態では新しいものを入れられませんから。
昔はスケジュール帳が埋まってないと不安を感じていたこともありますが、いまはできるだけ余裕をもたせるようにしていて、好奇心からの思いつきを実行できる余白をつくっています。
以上、僕なりのアイデアの考え方について書いてみました。
なにかの参考になれば嬉しいです。
あらためて書いてみると、ありがたいことに子供の頃から好きだったことを活かして仕事ができてるなあ。
好きなことを仕事にできてハッピーです。
独立や起業をお考えの方向けに書いた視点移動思考の記事はこちら。
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