効率や生産性を高めて失敗した話

生産性を追求したり効率を高めることが大事、というのは、そのとおりだと思うし、そうしないとダメな仕事もあると思います。

でも、(行動経済学でも言われてるように)人間はかならずしも合理的には行動しない生き物。

僕も様々なビジネスのなかで、無駄や非効率なことが喜ばれたり人が集まってきたりするのを見てきました。

その昔、小さなカフェを経営していたときは、むしろ無駄なことばかりしてたと言っても過言ではありません。

インテリアや食器やユニフォームやメニューブックなどの「見た目」のデザインはもちろん、触ったときの質感にもこだわったり、BGMの音質や店内の音の響き方なんかについても試行錯誤しながら改良してました。

インスタとかない時代だったけど、料理やデザートの味はもちろん、盛り付けや彩りにも工夫してたし、しょっちゅう変えてました。

そのお店のコンセプトを「五感で楽しむカフェ」としていたので、スタッフ全員でコンセプトを実現するためには?を考えて追求していたのです。

ひとつひとつの工夫やこだわりは小さなものだったかもしれませんが、それらが積み重なって(僕はそれをハッピーの波状攻撃と呼んでいました)共感してくださるお客さんが増えて繁盛店になることができました。

で、お伝えしたかったのはここから。

繁盛したおかげで、お店を拡張することになったり、姉妹店を出すことになったのはいいのですが、ビジネスの規模が大きくなるにつれて、だんだん生産性や効率を高めることを考えるようになり、気づいたら客層が変わったり、お客さんが減るという経験をしたのです。

それまでスタッフが割り箸一本づつにデザインした紙を巻いたり、ロゴの刻印を押したりしていたのをやめました。

そのこと自体にお客さんをたくさん呼ぶほどの魅力があるとは言えませんが、そういう小さな「無駄」を減らしていったことでお店全体の魅力が減っていったのだと思います。

最初の頃は、お店のスタイルに共感して「働きたい!」と集まってくれていたスタッフも、規模の拡大とともに「待遇や条件」で応募してくるひとたちになり、いつのまにかお店の文化(らしさ)が失われてしまいました。

お客さんを驚かしてやろうと工夫しながら楽しんでいた僕も、いつのまにか売上や利益、資金繰りなんかに追われるようになって、気づいたら「大事なもの」を見失ってしまった。

素人同然で始めたお店から、だんだんお店にお金をかけられるようになり、プロの料理人を雇って美味しい料理を出せるようになった。ところが、すごくよくなってるはずなのに業績が下がることが理解できなくてイライラする毎日。

当時のスタッフには苛立ちを爆発させたりして迷惑かけてたと思います。

いまは、どうしてそうなってしまったのかわかるし、どうすればよかったのかも(正解とは言えないまでも)わかりますがアフターフェスティバル。

結果的にすべてを手放すこととなり、たくさんの方に迷惑をかけました。

とにもかくにも

その経験がいまの仕事に役立ってるので、それこそ無駄ではありませんでしたけど。

そのとき、僕が学んだことはたくさんありますが

見無駄なことにエネルギーを注ぐことはちっとも無駄じゃないどころか魅力や価値になること自分が面白がったり楽しんだりしてるところに集まってくる人と過ごすことほど幸せなことはないこと

の2つは特に大きいと思っていて、それがオモシロタノシズムにつながっています。

以上、効率や生産性を高めて失敗した話でした。

そんな経験をしまくった僕があなたの相談にのるというサービスを始めたので、よければ遊びにきてください。

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